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株式会社ニュートラルは、食品機械の設計,製造,販売を行う会社です。

TEL. 011-667-4551

〒006-0803 札幌市西区発寒10条14丁目1067-11

開発装置/マルチスライサー

スライス幅自動調整機能付きレシプロスライサー

◆パンプレットはこちら◆(別ウィンドウでPDFが開きます)

刃枠を交換せずにスライスピッチの変更できる、今までにないスライサーです。




装置の特徴

・スライスパターン毎に刃枠を用意する必要はありません。
・刃物が移動してスライスピッチを変更できます。
・刃枠交換作業が不要のため作業効率もUPします。
・複数のスライスパターンを登録できます。

  使用する刃物は、自由に選択できます。
  帯刃・ピアノ線など、従来のレシプロスライサーに使用しているものであれば使用可能です。
  刃枠部分は外して清掃できます。
  新商品開発やテストなどのために新たに刃枠を用意する必要はありません

基本仕様
寸法 本体 H1380xW1350xD1420
入口出口コンベア含む
搬送レベル 830mm
電気容量 3相 200V 1.5kVA
重量 本体 600kg
入口出口コンベア 各25kg含む
適合ブレード 270mmタイプ

※スライス製品,ピッチ,枚数などご相談いただければカスタマイズいたします。

開発の経緯 ↓クリックで詳細を表示します

お客様からの開発依頼

2017年7月、お客様から新型スライサーの開発依頼を頂きました。
既存のスライサーは、2枚の刃枠を上下動させスライスするレシプロ型で、スライス幅を変更する度に刃枠の交換を必要とし、それに関わる作業時間及び保管スペースの確保等が大きな負担になっていると伺いました。 その解決策は、一つの刃枠でスライス幅を自由に変えることが出来るスライサーを開発する事ですが、この装置開発が長年の懸案事項で有ることも同時に伺いました。 改めてお客様や同業他社に装置開発に関わる情報について伺った所、「開発失敗と不可能」と言う言葉で、レシプロスライサーが世の中に出回って以来、長きに渡り開発できない「夢の装置」で有る事が判りました。
この状況を踏まえ当社として本装置の開発は、その難易度の高さから不可能と判断、その旨をお客様に伝えしました。 しかし、その後改めて本装置の必要性についてのお話を頂き、ダメ元で装置開発の可能性についての検証を行う事にしました。

刃物移動の動作検証

検証用ツールは、上下に配置した手回しハンドルで刃物に見立てた中央のプレートをシンクロさせながら横移動させる機構です。 実験した結果、刃物の横移動の原理にたどり着き、それを発展させる事で新型スライサーにたどり着く予感を強く感じました。 以前に丸刃スライサーの特許を取得した事がここで役立ち、裏付けとなる図面を描き上げられた事から装置開発を決定しました。もし、この新型スライサーが実現できたら、作業者の負担軽減、安全性の向上等その貢献度は大きく、同時にその市場も広大です。 しかし開発する当社のリスクもまた大きく、その結果、社運をかけて取り組む事になりました。

2017年9月 刃物移動の検証に製作したテストツール 
   
刃物の張力

2018年1月 新型スライサーの要となる刃物の張力について調査を実施しました。
従来のスライサーと構造が大きく異なるため、改めて刃物移動時、スライス時及び交換時等の動作に関わる個別負荷テストを実施し図面化を進めました。

スライス時、刃物移動時、刃物交換時の張力テスト 
 張力測定
シリンダー部品 
 製作シリンダー
プロトタイプの製作

この結果、2018年2月検証用のプロトタイプ1号機を製作しました。
この装置により刃物の移動動作、スライス動作等のテクニカルデータを集め実機製作及び自動化に向けた基本動作と構造をシミュレーションしました。

プロトタイプ1号機 
 全体
刃枠部 
 エンジン部
刃物摺動部 
 下段
上段 
 全体

その後2018年5月コンベアを装備したプロトタイプ2号機を製作しました。 この装置の目的は、実際にカステラ、食パン等のスライステストを実施し実機の製作に向けた技術情報を取得する事です。

プロトタイプ2号機 
 全体
カステラスライス 
 食パンスライス
展示会への出展

その後、新技術情報の開示及び市場調査を目的に展示会に出展しました。 製パン製菓分野のエンドユーザーや機械メーカーから大きな注目を集めました。 この時期、特許を取得し、次はいよいよ実機製作です。

 国際食品工業展2018
MOBAC2019 
実機の製作

展示会を終え、実機の製作に掛かり、ここで大きな問題が発生しました。 その問題は、「縄跳び現象」です。 何度かスライス幅の変更を繰り返す度に設定スライス幅と実際のスライス幅に数ミリのずれが生じました。 原因は駆動スクリュー軸とガイド軸間の距離に関わる障害「縄跳び現象」が発生したためで、該当部分の大幅な設計変更が必要になりました。 やはり一筋縄では行かない!この問題を解決するため、外部の設計会社及び部品メーカーの技術協力を得て、改めて設計を見直し、当時製作中の第一世代型実機にその対策を反映する事が出来ました。そして今、更なる進化を遂げた第二世代型実用機をデビューさせました。

 モバック大阪2021
性能は、大きさが第一世代の約半分。
スライス幅の変更に要する時間は2分以内。
最小スライス幅 8.5mm
スライス誤差 0.5mm以内
スライスピッチは自由選択 
あとがき

今回、約4年を掛け本装置の開発を手がけましたが、その過程は過去に経験した事がない程、技術的にも資金的にも本当に過酷でした。 本装置がお客様を豊かにすると共に私共の将来も少しだけ豊かになる事を願っています。

株式会社ニュートラル 代表取締役 中川健司


バナースペース

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